雪山③
2005年 10月 17日
天生峠に入って3時間経過・・・。
その時の天候は曇り、積雪は大体、スネあたりまであったな。
雪山登山の時はスノーシューというものを履きます。
かんじきのハイテクバージョンとでも申しましょうか、
スキー板が短くなって楕円形になったものとでも言いましょうか。
スノーシューをつけずに歩こうものなら
脚が雪にズボボッとはまって動けなくなるんですな、これが。
んで、その時の景色もものすごかったんですよ。
もう一面真っ白!山の斜面も、木々も、空間さえも
雪がちらちら舞っていたので真っ白でした。
空気は冷たく口を開けて呼吸すると喉がすぐ乾くんです。
ときおり雪を食べて水分補給。
たまに皆でふざけたりして、五十嵐君は全裸になって
積もった雪にダイブしたりしてましたよ。
まぁ、今思うと完全に雪山をなめてましたな。
アモウさん(天生峠の俗称)がそんな僕達の体たらくを
許すはずがありませんでした。
そうです。吹雪です。雪嵐ですよ。
あれは登山開始して5時間ぐらいだったかなぁ。
当初の計画では一日で下山する予定だったんです。
(これもかなり舐めた計画ですよ、ほんとに。)
山の天気は変わりやすいと言いますが、
ほんとにそうなんです。
さっきまで笑っていたと思ったら急に怒り出す女性のような感じです。
2、3分で天候が変わります。
最初は驚いていた僕達ですが、
その頃には結構なれてました。
「あ、そろそろ曇るな」みたいに。
そしたら、アモウさん。怒りました。
その時もいつものように晴れから急に雲が出てきたのです。
いつものことだと思いきや、やけに雲が黒い。
むくむくとそのパワーを蓄えたかのように、次の瞬間・・・・
シュゴゴゴゴーシュゴゴゴゴーシュイィィィーーーンンンンン・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・雲が去り、太陽が顔を出しました。
は?!
僕達は固まってました。
そう、ホワイトアウトです。
雪と風のコラボレーション。あたり一面超真っ白。
本当に視界ゼロです。動けません。
目の前の友達すら見えなくなります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ねぇ、何かやばくない?
そういえば午前中には頂上から折り返す予定なんだけど・・・
あれ?いつの間にか雪がヒザまで積もってる・・・・。
そしてまた!
シュゴゴゴゴーシュィィイイィィーーーンボウボウボウバー!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やばい!!何かヤバイ!!
早く登ろう!!
あれ?!何でこの道こんなにくねくねしてるの?
あれ?!雪がヒザ上まで積もってる!!
あげ!!もう夕方6時やっし!!
シュゴゴゴブァワァードバドバーーーードベドベボウボウバババババァァァァ!!
そしてたまに雪崩ゴウゴウドババー。
ギャーッ!!動けなーい!!
軽いパニックでした。
まさか折り返し地点までこんなに時間がかかるとは思っておらず、
テントも防水ではないので雪の上に設置はできません。
やばい!
これでは下山まで体力が持たない。
誰も口にはしなかったけど、みんな思ってましたよ。
これからどうしよう。みたいな事を。
そしてね、頂上についたんですよ。
その時既に登山開始から16時間経過。
え、どうするか?
どうするって下山できんだろ(かなり吹雪でした)
でもテント設置できんやっし。
でも寝たら死ぬだろ。
でも下山は無理だろ。
そしたら死ぬだろ。
・・・・(何かに気付いたM君)え、あれ何か?
何?
あれよ。
ん?
何かあれ?
何か見えるな・・・。
何か・・・?
もしかして・・・。
山小屋?!
・・・山小屋だ!!
そうです。頂上に幽霊話で出てくるような山小屋があったのです。
僕達はズボズボ雪を掻き分け小屋の前まで来ました。
小屋はそこそこ大きく、まだ新しい感じでした。
入り口は完全に雪に埋もれているので
窓を割ってでも入ろうと思っていたのですが、
意外にもその小屋の窓は空いていたのです。
幽霊話チックですが何もなかったけど。
その小さな窓から無理矢理荷物を放り投げ、
体をねじ込んで、どさっ、と落ちたら、
そこは・・・公衆トイレだったのです。
封鎖中で使われていない小屋に幸運にも出会えた僕らは
そこで一夜を過ごす事にしました。
午後7時。気温マイナス30度でした。
吐く息が白いと言う世界ではなく、
吐息はスターダストのようにきらきら光るのです。
携帯ガスボンベでラーメンを作り、
いやぁ、焦ったなぁ。
誰だよ、一日で下山できるって言ったやつは。
まぁ明日になったら吹雪もやむだろうから楽勝だよ。
下山したら温泉だな!
おいおい、気が早いよ!
ハハハハハ!
よーし、じゃあもう寝ようぜ!
そうだな!明日は半日で下山だな!
おう!
・・・そんな僕らをアモウさんが許すはずはありませんでした。
続く。
話は変わって。
O.Z.E第19階本公演に起こしいただいた皆様。
本当にありがとうございました。
これからも良き舞台を作りつづけていきたいと思います。
精進します。
その時の天候は曇り、積雪は大体、スネあたりまであったな。
雪山登山の時はスノーシューというものを履きます。
かんじきのハイテクバージョンとでも申しましょうか、
スキー板が短くなって楕円形になったものとでも言いましょうか。
スノーシューをつけずに歩こうものなら
脚が雪にズボボッとはまって動けなくなるんですな、これが。
んで、その時の景色もものすごかったんですよ。
もう一面真っ白!山の斜面も、木々も、空間さえも
雪がちらちら舞っていたので真っ白でした。
空気は冷たく口を開けて呼吸すると喉がすぐ乾くんです。
ときおり雪を食べて水分補給。
たまに皆でふざけたりして、五十嵐君は全裸になって
積もった雪にダイブしたりしてましたよ。
まぁ、今思うと完全に雪山をなめてましたな。
アモウさん(天生峠の俗称)がそんな僕達の体たらくを
許すはずがありませんでした。
そうです。吹雪です。雪嵐ですよ。
あれは登山開始して5時間ぐらいだったかなぁ。
当初の計画では一日で下山する予定だったんです。
(これもかなり舐めた計画ですよ、ほんとに。)
山の天気は変わりやすいと言いますが、
ほんとにそうなんです。
さっきまで笑っていたと思ったら急に怒り出す女性のような感じです。
2、3分で天候が変わります。
最初は驚いていた僕達ですが、
その頃には結構なれてました。
「あ、そろそろ曇るな」みたいに。
そしたら、アモウさん。怒りました。
その時もいつものように晴れから急に雲が出てきたのです。
いつものことだと思いきや、やけに雲が黒い。
むくむくとそのパワーを蓄えたかのように、次の瞬間・・・・
シュゴゴゴゴーシュゴゴゴゴーシュイィィィーーーンンンンン・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・雲が去り、太陽が顔を出しました。
は?!
僕達は固まってました。
そう、ホワイトアウトです。
雪と風のコラボレーション。あたり一面超真っ白。
本当に視界ゼロです。動けません。
目の前の友達すら見えなくなります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ねぇ、何かやばくない?
そういえば午前中には頂上から折り返す予定なんだけど・・・
あれ?いつの間にか雪がヒザまで積もってる・・・・。
そしてまた!
シュゴゴゴゴーシュィィイイィィーーーンボウボウボウバー!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やばい!!何かヤバイ!!
早く登ろう!!
あれ?!何でこの道こんなにくねくねしてるの?
あれ?!雪がヒザ上まで積もってる!!
あげ!!もう夕方6時やっし!!
シュゴゴゴブァワァードバドバーーーードベドベボウボウバババババァァァァ!!
そしてたまに雪崩ゴウゴウドババー。
ギャーッ!!動けなーい!!
軽いパニックでした。
まさか折り返し地点までこんなに時間がかかるとは思っておらず、
テントも防水ではないので雪の上に設置はできません。
やばい!
これでは下山まで体力が持たない。
誰も口にはしなかったけど、みんな思ってましたよ。
これからどうしよう。みたいな事を。
そしてね、頂上についたんですよ。
その時既に登山開始から16時間経過。
え、どうするか?
どうするって下山できんだろ(かなり吹雪でした)
でもテント設置できんやっし。
でも寝たら死ぬだろ。
でも下山は無理だろ。
そしたら死ぬだろ。
・・・・(何かに気付いたM君)え、あれ何か?
何?
あれよ。
ん?
何かあれ?
何か見えるな・・・。
何か・・・?
もしかして・・・。
山小屋?!
・・・山小屋だ!!
そうです。頂上に幽霊話で出てくるような山小屋があったのです。
僕達はズボズボ雪を掻き分け小屋の前まで来ました。
小屋はそこそこ大きく、まだ新しい感じでした。
入り口は完全に雪に埋もれているので
窓を割ってでも入ろうと思っていたのですが、
意外にもその小屋の窓は空いていたのです。
幽霊話チックですが何もなかったけど。
その小さな窓から無理矢理荷物を放り投げ、
体をねじ込んで、どさっ、と落ちたら、
そこは・・・公衆トイレだったのです。
封鎖中で使われていない小屋に幸運にも出会えた僕らは
そこで一夜を過ごす事にしました。
午後7時。気温マイナス30度でした。
吐く息が白いと言う世界ではなく、
吐息はスターダストのようにきらきら光るのです。
携帯ガスボンベでラーメンを作り、
いやぁ、焦ったなぁ。
誰だよ、一日で下山できるって言ったやつは。
まぁ明日になったら吹雪もやむだろうから楽勝だよ。
下山したら温泉だな!
おいおい、気が早いよ!
ハハハハハ!
よーし、じゃあもう寝ようぜ!
そうだな!明日は半日で下山だな!
おう!
・・・そんな僕らをアモウさんが許すはずはありませんでした。
続く。
話は変わって。
O.Z.E第19階本公演に起こしいただいた皆様。
本当にありがとうございました。
これからも良き舞台を作りつづけていきたいと思います。
精進します。
by ken392010wri | 2005-10-17 23:55