雪山⑤
2005年 10月 21日
ミスチルの桜井さんとか小林さんで結成された
Bank Band (だよね?)のアルバムで
中島みゆきの「糸」を桜井さんが歌っております。
いい歌です。今日はこの歌をバックにブログを更新します。
ズボボボボ
ワッサワッサ
バンバン
ザッ
ズボボボボ
時速100メートルで雪山下山に挑むバカ5人。
雪山での時間はものすごく疾い。
下山開始したのが朝7時過ぎ。
ふと時計を見ると何ともう夕方の6時!!!!
あれは衝撃だった・・・
ズボボボ、ワッサワッサの作業に集中していたのだろう。
あの時すでに5人は完全にまいっていた。
掻いても掻いても目の前の雪はその景色を開かず、
延々と続くうねった山道。カーブを曲がるたびに
「お願い!今度こそ光を!!」と思うも
アモウさんは絶対にその終わりを見せない。
時間を少しさかのぼって昼過ぎの3時ごろだはず。
昼過ぎと言っても超真っ黒なんだけど。
五人の中で一番アウトドアレベルの高い先輩が
「これほんとにやばい。このままだったら遭難する」と言った。
眉毛やまつげなどあらゆる先端に霜をつけた顔で言った。
「荷物を捨てよう」
この一言が俺のスイッチを危険度マックスまであげた。
やばい死ぬかもしれん。とその時思った。
まずテント(お高いよ、お値段が)を捨て、携帯ガスボンベを捨て、余分な衣類を捨てた。
僕もお気に入りの靴・アディダススーパースター9800円を捨てた。
ううう、あぁ悲し。雪に投げたらズボボボボボ。
あっという間に見えなくなった。
スーパースター!!!想い出のスーパースター!!!!!!
荷物が少し軽くなったところで
時速100メートルは変わらず、僕らは巨大な山をひたすら這いまわる
ただのアリンコと化した。
何が辛かったって、水を用意してなかったからね。
口で呼吸したら一気に乾燥するし。
雪を食べたらいいじゃん、と思ったそこの貴方!!
アモウさんの粉雪は全然水分ないの!!
口いっぱいにほおばっても得られる水分はスズメの涙。
ほおばる労力を考えたらマイナス赤字ですよ。
そして夜の8時ごろでしょうか。
皆の頭につけていた、
マイナス30℃まで耐えますよ!
と鼻息荒くアウトドアショップで買った
超高性能ヘッドライトが一斉に壊れた。
アーティストっぽく言ったら、
「光までも失った小さな僕ら。残されるは絶望のみ。」
気温何度だったのかなぁ。一気に暗闇に包まれました。
月明かりが雪に反射して明るいんじゃないの?と思っているそこの貴方!!
月なんて見えないの!!!
山道にそって歩いていた僕らですが、
光を失って方向感覚もおかしくなった。
気がつけば断崖絶壁の崖に向かって歩いてる時もあった。
その時は夜の9時ごろ。
そのあたりから僕の中である変化が起きた。
疲労感が死の恐怖を上回り始めた。
「もう死んでもいい」と本気で思っていた。
目の前で雪崩が起きたのをみても、
「もういいよ、雪崩も飽きたよ、とにかく疲れた」、でした。
そして夜の12時ごろ。アレが起きた。
変なんです。体が何か変なんです。
フワフワしてると言うか、ジェットコースタが一気に滑り降りる前の
あの下腹部のゾワゾワ感というか。
今、自分がどういう顔をしていて、どういう動きをしているか、
違う場所から自分をみている感じがした。
幽体離脱して、自分を見ているというわけではない。
その映像が見えているというわけでもないが、
何か分かるのである。自分がどうなっているのか。
変な感じだったなぁ。なんだあれは。
さらに日を越えて深夜2時。
5人隊列で歩いていた僕らは
ふと気がつくと4人になっていた。
なんと、最後尾で歩いていた同級生のM君が
いつの間にかいなくなっている。
五十嵐君が道を戻って探しに行った。
M君ははるか遠くの所で眠っていた。
いや、死んでないですよ。ただほんとに普通に眠っていたみたい。
五十嵐君が、え、起きれと言うと、
もう置いていってくれ、と言ったそうです。すごいねぇ、今考えたら。
確かにあの時僕もものすごく眠かったし、
死んでもいいからもう眠りたいと思っていた。
睡眠欲というのは死の恐怖を上回ります。
無理矢理ひっぱたいて連れ戻し、また歩き始めるバカ五人。
その時すでに下山開始から19時間経過。
飲まず食わずの雪山下山。
この雪山の話をブログに書くとき一番最初に
雪男に会いにいこう、なんて題名をつけたけど
まさに僕らが雪男でした。(ナイスブリッジ)
結果から言うと下山できたのは翌日の朝7時。
実に24時間かかった。
まだ地獄は続くよーん(アモウさんより)
さ!いよいよ次回で雪山最終回!!
バカ五人の運命やいかに?!
そして衝撃の「高菜カレー」とは?!
お楽しみに!!
Bank Band (だよね?)のアルバムで
中島みゆきの「糸」を桜井さんが歌っております。
いい歌です。今日はこの歌をバックにブログを更新します。
ズボボボボ
ワッサワッサ
バンバン
ザッ
ズボボボボ
時速100メートルで雪山下山に挑むバカ5人。
雪山での時間はものすごく疾い。
下山開始したのが朝7時過ぎ。
ふと時計を見ると何ともう夕方の6時!!!!
あれは衝撃だった・・・
ズボボボ、ワッサワッサの作業に集中していたのだろう。
あの時すでに5人は完全にまいっていた。
掻いても掻いても目の前の雪はその景色を開かず、
延々と続くうねった山道。カーブを曲がるたびに
「お願い!今度こそ光を!!」と思うも
アモウさんは絶対にその終わりを見せない。
時間を少しさかのぼって昼過ぎの3時ごろだはず。
昼過ぎと言っても超真っ黒なんだけど。
五人の中で一番アウトドアレベルの高い先輩が
「これほんとにやばい。このままだったら遭難する」と言った。
眉毛やまつげなどあらゆる先端に霜をつけた顔で言った。
「荷物を捨てよう」
この一言が俺のスイッチを危険度マックスまであげた。
やばい死ぬかもしれん。とその時思った。
まずテント(お高いよ、お値段が)を捨て、携帯ガスボンベを捨て、余分な衣類を捨てた。
僕もお気に入りの靴・アディダススーパースター9800円を捨てた。
ううう、あぁ悲し。雪に投げたらズボボボボボ。
あっという間に見えなくなった。
スーパースター!!!想い出のスーパースター!!!!!!
荷物が少し軽くなったところで
時速100メートルは変わらず、僕らは巨大な山をひたすら這いまわる
ただのアリンコと化した。
何が辛かったって、水を用意してなかったからね。
口で呼吸したら一気に乾燥するし。
雪を食べたらいいじゃん、と思ったそこの貴方!!
アモウさんの粉雪は全然水分ないの!!
口いっぱいにほおばっても得られる水分はスズメの涙。
ほおばる労力を考えたらマイナス赤字ですよ。
そして夜の8時ごろでしょうか。
皆の頭につけていた、
マイナス30℃まで耐えますよ!
と鼻息荒くアウトドアショップで買った
超高性能ヘッドライトが一斉に壊れた。
アーティストっぽく言ったら、
「光までも失った小さな僕ら。残されるは絶望のみ。」
気温何度だったのかなぁ。一気に暗闇に包まれました。
月明かりが雪に反射して明るいんじゃないの?と思っているそこの貴方!!
月なんて見えないの!!!
山道にそって歩いていた僕らですが、
光を失って方向感覚もおかしくなった。
気がつけば断崖絶壁の崖に向かって歩いてる時もあった。
その時は夜の9時ごろ。
そのあたりから僕の中である変化が起きた。
疲労感が死の恐怖を上回り始めた。
「もう死んでもいい」と本気で思っていた。
目の前で雪崩が起きたのをみても、
「もういいよ、雪崩も飽きたよ、とにかく疲れた」、でした。
そして夜の12時ごろ。アレが起きた。
変なんです。体が何か変なんです。
フワフワしてると言うか、ジェットコースタが一気に滑り降りる前の
あの下腹部のゾワゾワ感というか。
今、自分がどういう顔をしていて、どういう動きをしているか、
違う場所から自分をみている感じがした。
幽体離脱して、自分を見ているというわけではない。
その映像が見えているというわけでもないが、
何か分かるのである。自分がどうなっているのか。
変な感じだったなぁ。なんだあれは。
さらに日を越えて深夜2時。
5人隊列で歩いていた僕らは
ふと気がつくと4人になっていた。
なんと、最後尾で歩いていた同級生のM君が
いつの間にかいなくなっている。
五十嵐君が道を戻って探しに行った。
M君ははるか遠くの所で眠っていた。
いや、死んでないですよ。ただほんとに普通に眠っていたみたい。
五十嵐君が、え、起きれと言うと、
もう置いていってくれ、と言ったそうです。すごいねぇ、今考えたら。
確かにあの時僕もものすごく眠かったし、
死んでもいいからもう眠りたいと思っていた。
睡眠欲というのは死の恐怖を上回ります。
無理矢理ひっぱたいて連れ戻し、また歩き始めるバカ五人。
その時すでに下山開始から19時間経過。
飲まず食わずの雪山下山。
この雪山の話をブログに書くとき一番最初に
雪男に会いにいこう、なんて題名をつけたけど
まさに僕らが雪男でした。(ナイスブリッジ)
結果から言うと下山できたのは翌日の朝7時。
実に24時間かかった。
まだ地獄は続くよーん(アモウさんより)
さ!いよいよ次回で雪山最終回!!
バカ五人の運命やいかに?!
そして衝撃の「高菜カレー」とは?!
お楽しみに!!
by ken392010wri | 2005-10-21 15:27